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映画「母と暮らせば」に見る、山田洋次監督の想い [映画館へ行こう!]

2016年1/31(日)

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気になっていた山田洋次監督作品「母と暮らせば」を観た。
何となく話の展開等は、予告編などで想像していたが、
実際観てみると、山田洋次監督がどのような想いで、
この作品を作ったのかが、実感できる気がした。

長崎に原爆が落とされる経緯や、
それによって引き起こされる別れと、それを受け入れざるを得ない家族。
こんなご時世の今だからこそ、戦争を体験している人々が、
全体にしてはならないこととして描かずにはいられなかったこと。

それとは別に、山田監督は、
昭和と言う時代の細やかなパーツパーツを遺したかったのでは
と言う思いを強く感じた。
昭和を生きた人々の、心持ち、世の中のあり方、
それぞれの立場でのものの考え方など…。
生活を取り巻くモノについても、
記録映画ではないかと思えるほど、それらの描写がきめ細やかである。
「フーテンの寅さん」が全国行脚して、
その土地土地の祭りや風土、そのご当地の名物や食べ物を、
たくさん紹介して、記録として遺っているとしたら…、
「母と暮らせば」は、昭和の時代の歴史的記録として、
監督が故意にこの作品ひとつの中に、それらを遺そうとしている気がした。
時代の中で、いいものも、悪いものも。

さらに、身近な人、今の時代の象徴のような人が、次々と鬼籍に入るこのごろ、
遺されるものが、どのように考え、感じているか、どうすべきなのか…、
ここのところは、ぱらぽんにとっても命題のような気がするが…。
本当に、後半の吉永小百合演じる[母さん」のセリフに、
心を射抜かれた気がした。
号泣というのでもないけれど、
絶えず涙が流れていて、ホントに「涙活」したなあと思った。
悲しい話ではあるのだけれど、見方を変えれば、
とても幸せな話でもあるわけで、潔さも感じられた。

年配のお客様が多く、それでも若い人々も観ていた。
印象的だったのは、終了後、すぐに席を立てないでいる人が多かったこと。
迷っていたが、無理をしても観に行ってよかった作品だった。

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