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予想を遙かに超えていた・・・。映画「トイレのピエタ」 [映画館へ行こう!]

「藤枝おんぱく2015」も無事終わり、その総括の時期が来ています。
自分でも関係したプログラムについて、
ブログに記録を残しておきたいと思っていますが、
それには、後10本くらいブログを書かなくては・・・。
今日(6/12)は、静岡に出かける用事があったので、
その合間を縫って、観たいと思っていた映画を観ました。
なので、まずはそのことを書きます。

pieta-item_poster.jpg
映画「トイレのピエタ」
日本の漫画を芸術の域までに広げたと思われる漫画家「手塚治虫」。
私たち世代は、漫画とともに成長してきたと言ってもいいくらい。
その「手塚治虫」の晩年の日記に、「すばらしいアイディア」とのことで、
「トイレのピエタというのはどうだろう」
と書かれていた話は、あまりにも有名。

ネット検索したら出てきたのでここに貼っておきます。

1989年1月15日
今日はすばらしいアイディアを思いついた!
トイレのピエタというのはどうだろう。
癌の宣告を受けた患者が、
何一つやれないままに死んで行くのはばかげていると、
入院室のトイレに天井画を描き出すのだ。
周辺はびっくりしてカンバスを搬入しようと するのだが、
件の男は、どうしても神が自分をあそこに描けという啓示を、
便器の上に使命されたといってきかない。
彼はミケランジェロさながらに寝ころびながらフレスコ画を描き始める。
彼の作業はミケランジェロさながらにすごい迫力を産む。
傑作といえるほどの作品になる。
日本や他国のTVからも取材がくる。
彼はなぜこうまでしてピエタにこだわったのか?
これがこの作品のテーマになる。
浄化と昇天。
これがこの死にかけた人間の世界への挑戦だったのだ!

手塚はこの日記を最後にペンも持てない状態になり昏睡状態に陥る。
なお、上記の日記の文章は通常の手塚の日記の文字より激しく乱れている。
手塚治虫が「生前にアイデアを出した」という枠組みまで含めると
全手塚作品のうち最後の作品になる。
また同様に手塚治虫が人生で最後に書いた文章でもある。

とのことです。
そのエピソードをヒントに生まれたというこの作品。
その、イントロダクションは、こちらで。
監督は「松永大司」氏。
監督デビュー作品。
恥ずかしながら、主演の「野田洋次郎」くんのことを知らなかった。
この作品は、タイトル名から?なぜか、観なくてはいけない気がしていて、
この日、ぎりぎりのスケジュールの中ではあったが、観ることにした。
劇場は、「静岡東宝会館」。
今のところ、静岡県で公開しているのは、ここのみ。
7/4から駿東郡清水町の「シネプラザサントムーン」でもやるようですが。

うん、すごかった。
予想を遙かに超えていた。
自分が野田くんを知らないことがよかった。
有名な俳優なら、演じていることを知ってしまうが、
野田くんのことを知らないので、
本当にこういう青年がいるんだと思い込ませられながら、
見終わることができた。
感情をあまり表に出さない、少しつり目の青年。
常に前髪が半分目に掛かっているので、
彼の本当の気持ちを見ることができにくい。
彼は、自分に降りかかる出来事を、
受け止め切れずに、あがきながら模索する。
園田弘と、野田洋次郎は、完全に同化していた。
少なくとも、私の頭の中では。

とある場面で、号泣した。

その時を、どのように迎え入れるべきか?
これはすべての人に降り注ぐ命題であるのだけれど・・・。
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